意義、重要性 走査プローブトンネル顕微鏡(STM)表面科学域、THz精密分光装置の構築に必要な要素技術としてTHz域に広がるダブル光コムをSTMへ導入し微弱で広帯域な広がりを持つ光コム量子電磁波を原子サイズ分解能で精密検出するシステム構築の為、基礎的な取り組みを進めた。H24年より光コムのSTM導入準備を本格的に進めており、27年度課題に於いてTHz域にある量子振動の検出を目的にヘテロダインSTMによるダブルコムの波長変換を試みる準備を進めた。THz域にある微弱な量子振動から生起した信号は周波数がミリ波を超える赤外との中間帯にあり、適切なエレクトロニクスが無く検出が困難とされている捕捉する 信号は原子サイズの領域からとなり、さらに信号強度は小さくTHz域にある局所振動の扱いは過去よりなされて居なかった、しかし分光学的にテラヘルツギャップ域にある分光はサイエンスに於いて指紋領域ともよばれており、物理化学、生命科学、他、工業的にも、その観測に大きな期待が寄せられている、近年の原子分解能分析装置の発展と共に原子サイズのTHz分光の実現は将来にわたり大きなインパクトをもつ為その要素技術構築の基礎的課題としてW光コムのSTM導入を進めている。 具体的内容 STMトンネル電流の非線形性を活用した二乗検波によりf1、f2 : コム列をSTM探針、ギャップ絶縁、試料表面構造「MIM」へ導入し、F3コム列として、MIMに生起される、原子分解能を有するビート信号を検出する機構とそのW光コムを準備し、モデル検証を進めている、又f1. f2コム列の生起法について各種基礎的な検証を試みた、電気パルス、マイクロ波パルス、光パルス、によりコム列を生起し、二つのパルスをf1、f2コム列に対応させ実験を進めている、いくつかの手法に於いてコム生起の試みを実施し、新たなコム生起に成功しており、コムデータを得ることが出来た。本課題をより発展させる準備に取り組んでいる。
|