【研究目的】大根の型を用いた平面的な金属の凝固の瞬間と爆発の過程を研究する。 【研究方法】大根型に融解金属を入れ、凝固の過程を観察し、同時に温度変化を調べる。 【研究成果】大根型を用いた金属の凝固の観察の安全な実験条件を調べ、生徒実験を開発した。同時に、危険な水蒸気爆発の研究を安全に進めるため、高温溶融金属投入システムを自作した。 (1) 本研究では、簡易な装置で金属の流動性研究に成功した。具体的には、円柱形大根型の横に直線柱(直径の異なる穴)をつくり、融解金属を流し込む。直線柱の長さ(金属の到達距離)により、流動性を比較する。金属の流動性が、金属種や温度によりどのように変わるか、比較するデータを蓄積できた。 (2) 本研究により、生徒実験がなかった分野について、安全に短時間で亜鉛の融解と凝固の実験条件を確立し、生徒実験を開発して実践した。生徒に驚きを与え、工業高校の鋳造実習の理解を深めさせることができた。ブラックボックスで見ることができなかった金属の融解と凝固の瞬間の観察によるものである。 表1 金属の融解と凝固の実験の比較(平成26年の文献と平成27年度奨励研究) [table] ○研究成果は東京都理化教育研究会研究発表会で27年12月に発表し、全国理科教育大会で発表予定である (3) 水蒸気爆発実験用の防護装置と融解金属を投入するシステムの自作 水蒸気爆発の危険を防ぐ高温溶融金属投入システムがなかったので、ロボットメーカーで機械化を検討したが、科研費の範囲を遥かに超える経費が必要になり、頓挫していた。完成が大幅に遅れたが工業科教諭と共同で開発し、地域の町工場(江戸川区)で実費で制作していただいた。 高温溶融金属投入システムを用いて、安全に爆発限界と水蒸気爆発の研究を継続している。
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