研究実績の概要 |
二酸化ケイ素粉末に貴金属であるロジウムの微粒子を担持した触媒(Rh/SiO_2)に鉄酸化物とニオブ酸化物またはバナジウム酸化物またはモリブデン酸化物を添加した触媒(Nb-Fe+Rh/SiO_2, V-Fe+Rh/SiO_2, Mo-Fe+Rh/SiO_2)を高温焼成により調製し、水素還元後エタノールの水蒸気改質反応を行った。その結果、ニオブ酸化物を添加した触媒が無添加のRh/SiO_2触媒に比べて高い活性を示した。そこで、上記の触媒以外に、Rh/SiO_2触媒に鉄酸化物あるいはニオブ酸化物をそれぞれ添加した触媒(Fe+Rh/SiO_2, Nb+Rh/SiO_2)を調製し、エタノールの水蒸気改質反応を行い、比較検討した。金属酸化物を添加した触媒はいずれもRh/SiO_2触媒に比べて240℃という低温にもかかわらず、触媒活性は2~3倍に向上した。また、Rh/SiO_2触媒による反応生成物は、水素、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素であったのに比べて、金属酸化物を添加した触媒ではそれらの生成物の他に、アセトアルデヒドが生成した。これらの結果から、Rh/SiO_2触媒に金属酸化物を添加することで、エタノールの脱水素反応を促進し、また、生成したアセトアルデヒドの分解を抑制する働きがあることがわかった。X線回折測定(XRD)、昇温還元測定(Temperature-programmed reduction : TPR)により、ロジウムともう一方の金属酸化物が強い相互作用を示しており、その効果によるものであることがわかった。Rh/SiO_2触媒に金属酸化物を添加し、焼成、還元することで、本研究の目的である、ロジウムの省量化が可能となった。
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