マイクロバブルを利用した管内流れ実験装置はマイクロバブル発生用水槽、測定部の流路管、貯水用水槽の順に流れるように構成されマイクロバブル水がポンプで循環するように製作した。 マイクロバブル発生用水槽は縦300mm×横300mm×高さ700mmの大きさで底面にベンチュリー管形のノズルを配置し、ギアポンプで水を流し込みノズルスロート部で加速し、減圧することで水に含まれる気体が気泡となる。さらに、ノズルスロート下流の末広部で急激な圧力回復を通過させ、気泡を崩壊させてマイクロバブルになる。発生したマイクロバブル水は水槽内の水面の高さで圧力の調整を行い試験部の流路管を流れる。 試験部の流路管は圧力損失流路管と流れの可視化流路管の2種類で出口付近に流量計を配置し、内径30mm、長さ1800mmの透明な塩ビ管を用いマイクロバブル発生用水槽の側面の底から100mmの位置に接続している。 圧力損失流路管による測定は発生用水槽の水面を650mmに保つようにバルブで調整を行いポンプで循環させた。流路管内の圧力は管の上部に入口側から200mm間隔で6本のアクリル管(600mm)を垂直に配置し、その管内の液柱の高さで測定した。入口側に近い圧力は液柱の高さの減少はなく出口に近づくにつれて徐々に低くなり出口付近では最も減少していることから、圧力の損失を計測することができたと言える。 流れの可視化流路管には、流路の中間位置に透明アクリル材で製作したベンチュリー管を配置している。ベンチュリー管の入口と出口の圧力は前述と同様に液柱の高さで測定できようにした。ベンチュリー管内を流れるマイクロバブル水にレーザーシート光を照射することで、マイクロバブルがトレーサー粒子となり流れの状態と流速の変化を確認することができ圧力差の測定も行うことができた。 この実験装置を近隣の中学校での出前授業や学校内のオープンキャンパスで公開し好評を得ることができた。
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