○研究目的 本学工学部技術部において、地域貢献活動の1つとして「夏休み工作教室」を毎年開催している。その中でラジオ工作は、最も人気のあるテーマで、これまでに2回実施した。しかし、小学生が工作することを考慮して、簡素な回路構成としたため、完成品の感度や安定度は、十分満足出来るものでは無かった。 最近、ラジオ専用ICで、デジタル信号処理を行う「DSPラジオモジュール」が市販され、これを用いれば、少しの外付け部品の追加で、簡単に高性能なAM/FMラジオを構成することが可能となった。 本研究では、この「DSPラジオモジュール」を使った高性能なラジオ教材を「夏休み工作教室」向けに、開発することを目的とする。 ○研究方法 本研究は、下記の手順により実施した。 1. 工作教室で使用するDSPラジオの回路を多数試作した結果、下記の仕様に決定した。 ・「DSPラジオモジュール」は性能、価格、入手のし易さから「M6952」を使用した。 ・低周波増幅用ICに低電圧で使える「TA7368P」を用い、小型スピーカを駆動する方式とした。 ・同調・音量調整に使うボリウムは、別回路でユニット化し組み込む形とした。 ・ラジオとして完成度の高い形にするため、工作品はクリアケースへ組み込む形とした。 ・ジャンパー線として、取扱いがし易い様に、1/6W型0Ω抵抗を用いた。 2. 高周波発信器を用い、低周波発振器や音声により変調を行う形で、ミニ放送局を構築した。 3. 製作手順や指導方法について検討し、「製作の手引書」を作成した。 4. 工作のリハーサルを行い、工作の手順や手引書の不具合点を修正した。 ○研究成果 本研究により、本教材は子供達に興味を持って工作をしてもらえるだけでなく、完成品は持ち帰って、実用的に長期間使えるもので、人に見せて自慢出来る様な、完成度の高い形のものを開発することが出来た。
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