研究実績の概要 |
研究目的 : 組込みマイコンやプログラマブルデバイスの一つであるFPGA(Field-Programmable Gate Array)は、近年汎用機器から教育・研究用として広く使われており、この分野での技術的な知識を獲得する機会を与えるために、それぞれの特長を活かしたハイブリッドシステムを構築できる環境を整備することを目的とした。 研究実施計画 : 1) マイコンについては、LEDの点灯、超音波センサを用いた距離測定と液晶ディスプレイでの表示、DCモータの回転方向および回転数制御の設計を通じて、制御回路や周辺回路の設計方法、統合環境の使用方法やプログラミング手法を習得できる環境を整備する。 2) プログラマブルデバイスについては、加算器を設計してLED表示、電子掲示板を作製し文字を表示、PCとFPGAボード間の有線および無線通信システムの構築を通して、論理回路の設計手法、制御方法、ハードウェア記述言語によるプログラミング、統合環境の使い方等を習得できる環境を提供する。 3) マイコンやFPGAの特長を理解できるシステムを構築するため、例えば同じDCモータの制御を2, 3種類のマイコンおよびFPGAで制御することでプログラミングや周辺回路の違いなどを比較検討する。さらに、FPGAでは、演算アルゴリズムによる演算速度や使用面積の比較ために、2進数から10進数に変換する2種類のアルゴリズムを使って、その性能を比較できる実験を行う。 研究結果 : マイコンおよびFPGAを使って、LED制御、超音波センサによる距離測定、DCモータ制御、電子掲示板システムなどデモンストレーションのための試作品を作製、動作検証を行った。また、FPGAに関しては、並列計算が得意であることを実感するために、2進数から10進数に変換し7セグメントLEDで表示させるシステムを構築し、減算法とシフト演算法の2種類のアルゴリズムを用いた場合の演算速度の違いを比較し、その結果、入力ビット数n(今回はn=8)の場合は、それぞれ2^n回とn回の繰り返し演算で処理できることの違いを体感できるシステムを構築した。上記のシステムは、教育プログラムの一環で実習として適用している。さらに、ハイブリットシステム構築例として、人間の動きに応じて自動追尾する車を試作、動作の確認を行っており、現在赤外線センサのセンシングおよび駆動回路部分の安定化を検討している。
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