研究実績の概要 |
○研究目的 ネットワークの構成情報には, ネットワーク機器をケーブルで繋ぐ物理構成情報と, ネットワーク機器に設定されたIPアドレスやVLANなどの論理構成情報があり, 管理作業時にはこれらの両方を正確に把握する必要がある, しかし現場で作業をおこなう際には, 物理構成の一部は目視で確認できるものの, 論理構成はノートPCなどの入出力端末を使いネットワーク機器に接続して確認する必要がある. そこで本研究では, ネットワーク管理作業の際に構成情報を迅速に把握することを目的とし, 拡張現実感(Augmented Reality, AR)によりネットワーク構成情報を可視化するシステムを考案した. 本システムでは, ネットワーク管理作業時に頭部装着ディスプレイ(Head Mounted Display, HMD)を装着することで, 作業者が現実に見ている視界に, ネットワーク構成情報をARコンテンツとして重ねて表示する. ○研究方法 本研究により開発したシステムは, ネットワーク構成情報をARコンテンツとして表示するHMD型情報端末と, 情報端末から取得した映像情報と無線LANの電波強度から利用者の位置や視線を解析して適切なトポロジー情報を情報端末に渡す情報管理サーバからなる. HMD型情報端末は, Wi-Fiによる無線通信機能と内蔵カメラによる撮影機能を有しており, HMD型情報端末と情報管理サーバとは無線により常時通信している. ○研究成果 本システムのプロトタイプを作成したうえ, 実際のネットワーク管理の現場を利用して, 無線LANの電波強度によって作業者の立ち位置を推定したうえで, 作業者の視界にある機器を絞り込んだうえで, 画像処理により特定する実験をおこなった. その結果, 可視化の対象となる機器をその周囲に設置されたものだけに絞り込むことができ, その機器に対応するネットワーク構成情報をARコンテンツとして表示できた.
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