研究実績の概要 |
目的 申請者は放射線検出器から出る信号を専用の電子回路ではなく安価なマイコンボードによって置き換えることにより自分で信号の加工を学べる教材の開発を目的として本研究を行った。 研究方法 γ線源であるNa22の密封小線源から液体シンチレータにγ線を照射することでγ線によって励起された液体シンチレータが発光する。その光を光電子増倍管ユニットで検出し, 電流として出力した。また, 光電子増倍管に太陽光を入射させないでγ線源と液体シンチレータの間の距離を変化させられるような機構を作り, 逆二乗則の測定が出来るようにした。Arduinoのアナログ入力ポート電圧入力であるが, 光電子増倍管ユニットは電流出力であるため, 電流一電圧変換回路を構築して信号を変換し, Arduinoに入力する。 研究成果 最初にγ線源と液体シンチレータを用い, 構築した機器が放射線計測に適用可能かどうかを検討した。γ線源と液体シンチレータの間の距離が離れるに従って光電子増倍管ユニットから出力された電流値が減少した。電流値の平方根の逆数とγ線源-液体シンチレータ間の距離の関係が直線になったことから逆二乗則が適応されており, 放射線検出器として放射線検出に利用できることが確認された。電流-電圧変換回路は現在構築中である。 また, 今回構築した装置を用い, 希土類錯体が高濃度トリチウム水から放射されたβ線によって励起した後の発光を測定した。この結果で希土類錯体の高濃度トリチウム水測定に対する有用性を検討し, 2件の学会発表を行った。
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