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グレビーシマウマのストレス要因の推定及びストレス反応と遺伝子多型の関連性の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15H00441
研究種目

奨励研究

配分区分補助金
研究分野 生物学Ⅱ(動物)
研究機関京都市動物園

研究代表者

伊藤 英之  京都市動物園, 獣医師

研究期間 (年度) 2015
研究課題ステータス 完了 (2015年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
2015年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワードグレビーシマウマ / ストレスホルモン / 遺伝子多型
研究実績の概要

グレビーシマウマ(Equus grevyi)は乱獲等で個体数が減少し, IUCNレッドリストの絶滅危惧種, ワシントン条約の附属書Ⅰ表に指定されており, 野生下・飼育下を含め早急な保全プログラムの作成が必要である。飼育下では特異的なストレス要因が存在し, これらの物理的・心理的ストレスは動物に大きな影響を与えることが知られている。そのため, 個体のストレスレベルを継時的な測定は, ストレス要因の特定に有用であると考えられる。また, ストレスに対する感受性は個体により大きく異なり, 遺伝的要因の関与が示唆されている。各個体のストレスへの反応性の把握は, 個体に適した飼育方法の開発に有用である。そこで本調査では, グレビーシマウマの飼育下個体群の保全に資することを目的に, 以下の2点について調査した。
1. 糞中コルチゾール代謝物の測定及びストレス要因の特定する
2. ストレス反応関連遺伝子の解析を行い, コルチゾール濃度との関連性を解析する
糞中コルチゾールの測定では, 通常飼育時のホルモン濃度は通常管理時では極めて定値で, 測定間ごとに差が見られた。また明白なストレス要因と考えられる動物園間の移動前後においても明白な上昇が認められず, コルチコステロンにつても測定を試みたが同様の結果であった。グレビーシマウマにおいて今回の測定系では糞中コルチゾール代謝物はストレス指標としては有用でないと考えられ, 今後抗体を変更し, 再測定を試みるか, アミラーゼやクロモグラビンAなどを指標として利用できるか検討が必要であると考えられた。
ストレス反応関連遺伝子としてコルチゾール受容体遺伝子のエクソン領域を解析した。コルチゾール受容体遺伝子の第3エクソン部分にグレビーシマウマ個体間の同義置換多型が認められた。シマウマ3種間(ヤマシマウマ・サバンナシマウマ)におけるアンドロゲン受容体領域では, ウマ科動物の中で初めて繰り返し配列多型を検出した(研究の一部で, 助成金使用)。これらの多型はストレス反応に関与している可能性は考えられるが, 今回の調査では関連性を示すことはできなかった。遺伝子多型について本助成により塩基配列を大量に解読したため, 今後新たなストレス指標と遺伝子多型の関連性について調査を行う予定である。
今回抽出したDNAを利用し, 個体群管理の指標としてミトコンドリアDNAの解析を行った結果, 血統登録と遺伝解析の間で遺伝的多様性に不一致が認められた。本発見は希少動物の飼育下保全に極めて有用な情報になると思われる。

報告書

(1件)
  • 2015 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Population genetic diversity and hybrid detection in captive zebras2015

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Ito, Tanya Langenhorst, Rob Ogden, Murayama-Inoue Miho
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 5 号: 1 ページ: 13171-13171

    • DOI

      10.1038/srep13171

    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Mitochondrial DNA sequence diversity of Grevy's zebra for management in captivity2016

    • 著者名/発表者名
      伊藤 英之, Tanya Langenhorst, Rob Ogden, 村山 美穂
    • 学会等名
      The 5th International Symposium on Primatology and Wildlife Science
    • 発表場所
      愛知県犬山市
    • 年月日
      2016-03-03
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書
  • [学会発表] Genetic polymorphisms of candidate genes relating behavior traits in zebra species2015

    • 著者名/発表者名
      伊藤 英之, Tanya Langenhorst, Rob Ogden, 村山 美穂
    • 学会等名
      大型動物研究を軸とする熱帯生物多様性保全研究国際セミナー
    • 発表場所
      京都府京都市
    • 年月日
      2015-06-09
    • 関連する報告書
      2015 実績報告書

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公開日: 2015-04-16   更新日: 2020-05-15  

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