研究実績の概要 |
本研究の目的は在宅療法を行っている患者を対象に市販されている携帯端末を用いて主観的包括的アセスメント(SGA)および高齢者の栄養評価に適した簡易栄養評価法(MNA)による栄養評価を簡単に行い, さらに現状で行われている輸液療法, 経腸栄養療法, 食事療法から得られる栄養摂取量, 糖質量, アミノ酸量, 脂肪量, ビタミン量, ミネラル量などの栄養に関する情報を瞬時に計算し, 栄養不良となる状態を早期に改善するシステムの構築しである。本年度に行った研究として①SGAおよびMNAよる継続的な栄養評価システム, ②濃厚流動食販売会社が行う製品成分の表記や成分量などの情報を最新情報に修正および日本人のための食事摂取基準2015年版の改訂に伴うシステムへの反映, ③タッチパネル操作による容易な本システムの利用の3点についてはほぼ可能となった。しかし, ④褥瘡評価を褥瘡経過評価法DESIGN-R法によるシステムの改良, ⑤経管栄養による下痢の評価方法, King's stool chartによる排便評価システムの構築は通常利用には未だ十分とは言えないため, 継続して構築および改善を行う。そして, これまでのシステムを在宅HPNに行っている患者を対象に開局薬剤師に向けた導入については, 山形市薬剤師会と協力して対象となる患者を抽出しながら導入を図っていく計画である。また, この栄養管理システムのマニュアルに関しても整備が必要で有り, 今後これについても行っていく予定である。
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