[目的] 大学の発展において、事務職員の役割は重要視されているが、業務の高度化に伴う煩雑化や短期間で専門性を求められる精神的重圧により、メンタルヘルス及びワークモチベーション低下の可能性が危惧される。本研究は、大学事務女性職員のワークモチベーションとメンタルヘルスを維持・向上させるために運動介入を行い、その効果を検証することを目的とした。 [研究方法] 大学事務女性職員10名を対象とし、研究代表者らが平成23年度奨励研究(課題番号 : 23934016)にて作成した「大学事務職員独自のワークモチベーション尺度(自己発信・他者からの評価・職務のやりがい・職業満足感・帰属意識・職場内人間関係 : 6因子23項目)」と「職場のメンタルヘルス測定尺度」(MHI-5)を用いて、運動介入前後のワークモチベーション及びメンタルヘルスを測定した。運動介入は歩数計を用いて実際の運動量を測定し、3ヶ月間(週2日 : 1回あたり速歩30分間)を行った。 [研究結果] 大学事務女性職員に3ヶ月間の運動介入を行った結果、メンタルヘルス項目の「やりがい・達成感」、「疲労・消耗感」、「余裕・ゆとりのなさ」が改善し、ワーキングモチベーション尺度の自己発信と職務満足感が向上した。また、平成23年度に実施した男性職員(20名)においても同様の結果が認められていることから、運動介入を実施することにより、職場におけるメンタルヘルスが改善され、大学事務職員のワークモチベーションが向上する可能性が示唆された。
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