研究課題
基盤研究(A)
本研究課題では、薄膜合成技術を駆使して原子レベルで制御された酸化物薄膜超構造を作製し、新たな電子輸送界面を創製することを目的に研究を推進した。ペロブスカイト構造の薄膜界面では、BaSnO3をベースとする界面形成と電界印加によって蓄積電荷の高移動度伝導を実現した。また、空間反転対称性の破れたLiNbO3構造の薄膜化を先駆的に実施し、新たな電子輸送界面の形成を実現した。これらの技術開発は、汎用元素を用いた酸化物界面の伝導性や誘電性を利用する素子開発に大きく寄与する成果である。
本研究では、昨今用途の拡大している透明導電膜の候補材料としてのBaSnO3薄膜の可能性を探究し、希少元素を含むITOの代替えとして活用の期待できることを示したことが意義深い。また、強誘電性を示すLiNbO3型酸化物薄膜の開発は、Pbフリーの強誘電体探索に対して有用な指針を与えた。これらの観点に加えて、新たな酸化物界面制御技術の開発を進めたことは、多様な酸化物の特性を活用した新たな薄膜素子の開発を切り拓く重要な基盤技術に位置づけられる。特に、機能としての界面伝導性や誘電性の活用に対して、元素戦略的な視点からも有効な成果であり、社会的にも貢献しうる成果と言える。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (28件) (うち国際学会 11件、 招待講演 12件) 備考 (2件)
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http://mu.imr.tohoku.ac.jp/