研究課題
基盤研究(A)
本研究の目的は、茨城県東海村にある大強度陽子加速器施設(J-PARC)において、世界最高強度のパルスミューオンビームと革新的な検出器を用いたCOMET実験によってミューオン-電子転換過程を探索し、素粒子の標準模型を超える物理を発見することである。予算的な施設建設の遅れにより、COMET実験そのものは実験遂行に至らなかったが、本研究の大きな課題である革新的検出器の開発で十分な成果が得られた。すなわち、測定器の中核をなすストローチューブ飛跡検出器と電磁カロリメータの開発は、ビームテスト実験による性能評価も含めて完了し、トリガーシステムの開発も進展した。実機製作に向けた準備は整った。
ヒッグス粒子の発見によって素粒子の標準模型は完成し、標準模型を超える物理の発見が素粒子物理の最大の課題となっている。LHCでそのような新現象が発見されない現状において、大強度ミューオンビームを用いた荷電レプトンフレーバー非保存過程の探索が標準模型を超える物理をの探索方法として有力視され、世界的な競争になっている。本研究の成果は、日本のJ-PARCで行うCOMET実験第二期計画で最高の探索性能を出すために必須の測定器開発であり、この成果によって、この分野で日本が世界のトップに立つことが可能になった。
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http://epp.phys.kyushu-u.ac.jp/index.php?COMET