研究課題
基盤研究(A)
右手と左手のように,物の鏡像体が自身と重ならない構造をもつ時,その物はキラルであるといい,分子やナノ物質でもキラリティは重要な物質の特性である。分子レベル・ナノレベルのキラリティを調べる光学活性分光法を顕微鏡に組み合わせる手法を開発・高度化し,それを用いてナノ物質の局所的なキラリティとその挙動を調べ,応用する研究を行った。局所的なキラリティは従来の光学活性の特性とは異なる挙動を示すことを明らかにした。貴金属ナノ構造と偏光を適切に用いることで,キラリティのない系に分子レベル・ナノレベルのキラリティを誘起する可能性を見出した。
キラルな分子やナノ物質には右手系と左手系があり,光も電場の構造がキラルな螺旋状となる右円偏光と左円偏光があるが,そのキラリティの空間スケールが大きく異なる。従って通常は光とナノ物質のキラルな相互作用は弱く,ナノ物質が特定の円偏光を強く放出したり,左右円偏光でナノ物質の応答が大きく異なることは稀である。プラズモン物質を介することで,ナノ物質と円偏光の相互作用が強くなることが考えられ,本研究ではその基礎となる局所的なキラリティの光学特性と,それに基づくいくつかのキラルな光物理化学的効果を示した。将来的に,生命に関連するキラル物質の分析や,新しい光デバイスの基礎となる可能性が期待される。
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