研究課題
基盤研究(A)
本研究では、合成高分子における究極の課題であるモノマー配列制御に関して、ビニルモノマーを原料として用い、ラジカル連鎖重合、ラジカル逐次重合などを駆使して、配列制御ビニルポリマーを構築することを目的とした。具体的には、選択的ラジカル連鎖生長反応や、ビニルモノマー配列を組み込んだモノマーを設計・合成しその制御重合反応を開発することで、主鎖や側鎖に配列制御構造を有するポリマーの合成を行い、物性に及ぼす影響を明らかとした。
自然界に存在するタンパク質などの天然高分子は、モノマーであるアミノ酸の配列が制御されてつながることで、高度な高次構造が構築され、優れた機能を発現している。しかし合成高分子、とくに実社会において広く用いられているビニルポリマーにおいては、モノマー配列を制御することは困難であった。本研究成果はそれを可能にするいくつかの手法を示し、配列がポリマー物性に及ぼす影響を示した点で意義深く、今後、材料の設計指針に役立つと思われる。
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