研究課題
基盤研究(A)
本研究の目的は,Beyond CMOSと既存CMOS回路の融合回路を低電圧化である.シリコンナノワイヤトランジスタで低電圧回路を構成し,Beyond CMOSとしては室温動作シリコン単電子トランジスタを採用した.作製した室温動作単電子トランジスタはクーロン振動の電圧が0.45Vと低く,ナノワイヤトランジスタを用いて作製した回路の電源電圧は2Vと低電圧にした.クーロン振動のわずかな電流を電流-電圧変換回路と電圧増幅回路で増幅し,クーロン振動の特性を振幅約0.8Vの電圧ピークに変換した.以上から,室温動作単電子トランジスタと既存MOSトランジスタによる融合回路の低電圧を実証した.
トランジスタの微細化による従来の大規模集積回路の性能向上が困難になりつつある状況において,従来デバイスと異なる原理で動作するいわゆるBeyond CMOSの研究が進んでいるが,従来のMOS回路との融合に関する研究は,その作製が困難なことからほとんど進んでこなかった.今回,室温動作の単電子トランジスタとナノワイヤトランジスタによる融合回路の低電圧動作が示されたことで,将来の集積エレクトロニクスの新しい方向性が実証されたということができ,学術的意義および社会的意義は大きい.
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