研究課題
基盤研究(A)
大腸がん悪性化に関与するドライバー遺伝子の中から異なるパスウェイの制御に関わる5種類(Apc、Kras、Tgfbr2、Trp53、Fbxw7)に着目し、異なる組み合わせで変異を持つマウスモデルを交配により作製して解析した。その結果、Wnt活性化により発生した腸管腫瘍細胞は、TGF-beta経路の遮断または変異p53の発現により粘膜下浸潤し、さらにKrasの活性化変異の蓄積によりEMT様の形態変化と脈管内浸潤が誘導されることを明らかにした。これらの3重遺伝子変異を持つ腫瘍由来オルガノイドは転移能を獲得しており、誘導遺伝子群の中から転移に対する治療標的分子を特定することが期待された。
複数の遺伝子変異の積み重ねが大腸がんを発生させるという、「多段階発がん」の概念が確立されているが、それぞれの遺伝子変異の組み合わせにより、がん細胞がどのような悪性化形質を獲得するのかは、未だ不明な点が多く全体像は明らかになっていない。本研究では、ゲノム解析で明らかにされたドライバー遺伝子変異の情報を基にして、マウスモデルを用いた網羅的解析を実施することで、大腸がん細胞の粘膜下浸潤、血管やリンパ管浸潤、遠隔転移などの各悪性化段階に、どのようなドライバー遺伝子変異の組み合わせが関与するのかを初めて明らかにした。得られた知見は、将来の大腸がん転移を標的とした治療薬開発に貢献が期待される。
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