研究課題/領域番号 |
15H02581
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 岡山県立大学 (2019) 兵庫県立大学 (2015-2018) |
研究代表者 |
森本 美智子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60342002)
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研究分担者 |
荒川 創一 神戸大学, 医学研究科, 客員教授 (70159490)
田辺 文憲 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80217108)
内田 幸子 高崎健康福祉大学, 健康福祉学部, 教授 (90352608)
小柴 朋子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (70310399)
加藤 伊陽子 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (20333297)
篠原 克明 国立感染症研究所, バイオセーフティ管理室, 主任研究官 (60117356)
嶋崎 典子 国立感染症研究所, インフルエンザウイルス研究センター, 研究員 (80466193)
伊藤 ちぢ代 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 客員教員(教授) (50196680)
片山 貴文 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60268068) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
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配分額 *注記 |
41,470千円 (直接経費: 31,900千円、間接経費: 9,570千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2018年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2017年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2016年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
2015年度: 15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
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キーワード | 感染防護具 / ガイドライン / 運動性 / 透過性 / 付着性 / 医療従事者 / 生体評価 / 看護動作 / 衣服評価 / 圧 / 教育 / 防護具 / 性能評価 / クリティカルゾーン / 快適性 / 温熱 / 動作 |
研究実績の概要 |
平成30年度は医療従事者の二次感染を防ぐために感染防護服着用による動作性や汚染部の特定や素材の細菌(菌液)付着性と透過性を評価し、ガイドラインの策定につなげることが目的であった。二次改良型感染防護服の動作性に影響を及ぼすパターンに前年度に問題が残った箇所の二次改良を行い、三次改良型二部式防護服の製作を行った。結果、パターンの形状を二次改良したことで、従来品に比べて改良品では各部位の圧迫感はいずれの動作でも減少し、特に前頭部と股の部位が改善されたことを確認できた。次に看護師による従来型と三次改良型感染防護服着用時における看護動作の三次元の動作を分析中である。加えて、感染防護服着用下の看護動作における感染防護服表面の汚染部位を特定するために、蛍光パウダー用いて防護服表面の汚染状況を観察した。結果は胸部・前腕部、大腿・背部にまで拡大した。 感染性防護服素材の違いの細菌透過性や菌液付着性を実験評価した。看護師が防護服を着用し患者立位時の防護服胸腹部に生じた接触圧は27.4gf/cm2で、対象防護服は手術用ガウン、TA、TCの3種で同じ圧力をかけた素材片を実験に用いた。細菌はMRSA標準株を用い、血液は健常人の静脈血を採取した。マクファーランド法により菌濃度を調整し、素材片をシャーレに置き一定濃度のMRSAを含む血液50μLを素材片にのせ1分後に血液を除去後、素材片を滅菌生食水10mLに入れ、残存する細菌を溶出しマンニット食塩培地にまき、37℃、24時間培養後にコロニー数をカウントした。その結果、圧をかけない素材片では手術ガウンの付着菌数が最も少なく、TCの付着菌数が最も多かった。27.4gf/cm2で10回摩擦をかけた素材片では、手術ガウンとTAでは付着菌数が有意に増加し、TCでは付着菌数が有意に減少することがわかった。なお、この条件では感染防護服裏側への菌の透過はみられなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成30年度計画の実験研究が遅れ気味になった。理由として挙げられるのは、代表者及び分担者の家族が急な病気のため看護・介護が必要となり、本年度予定してた期日に実験を中断せざるを得なくなった。そのため被験者(臨床看護師)への再度依頼・承諾および臨床現場への倫理委員会の提出ができなくなり、また病院との調査調整の困難を生じた。よって、本年度予定の実験であった感染防護具着用による生理的負荷および性能評価である看護ケア時の防護具にかかるの研究スケジュールが遅れ気味となり、ガイドラインの作成の着手まで至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の研究の推進方策として、まず当該の臨床病院おける倫理委員会に申請し、承認を得たうえで、早急に被験者に依頼し実験を行う。 最新型(二部式)感染防護服を用いて、被験者である臨床看護師による衣服内温湿度・体温・心拍数・SPO2濃度を測定と官能評価、疲労度測定、三次元動作、汚染度測定実験を行う。感染防具服の改良の改善点や効果を検討し、PPE素材を検討したデータを参考に、ガイドラインにエビデンスとして加える。感染防護具のガイドライン作成:個人防護具の輸入・新興感染症に対する着脱の実際をガイドライン化するためのシミュレーションを実施する。臨床現場で有用な個人防護具の適正使用に関するマニュアル草稿に着手、推敲する。輸入・新興感染症の診療に際しての適切なPPEの使用に関する標準的な方法を検討する。さらに、それらをまとめ、学会、論文発表を行う予定である。
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