近年の皮膚がん増加における化学物質・紫外線複合曝露の寄与

• 研究課題/領域番号: 15H02828
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 放射線・化学物質影響科学
• 研究機関: 静岡県立大学
• 研究代表者: 伊吹 裕子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (30236781)
• 連携研究者: 平川 和貴 静岡大学, 工学研究科 (60324513)
• 研究協力者: 趙 暁旭 ; 楊 光
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円); 2017年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円); 2016年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2015年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
• キーワード: 化学物質 / ヒストン / 紫外線 / 複合曝露 / NER / DNA損傷 / DNA修復 / たばこ / 発がん / たばこ煙 / ＮＥＲ / 金属ナノ粒子

研究成果の概要

本研究は、化学物質によるヒストン修飾変化と、紫外線によるDNA損傷生成・修復との関わりを細胞レベルで明らかにし、それを実験動物で実証することにより、近年の皮膚がん増加の原因解明に貢献することを目的としている。多環芳香族炭化水素の酸化体、たばこ副流煙、酸化亜鉛や酸化銅などの金属ナノ粒子により、ヒストンのアセチル化状態が変化した。その状態で紫外線を照射すると、紫外線により生成するDNA損傷の修復が遅延した。また、化学物質を皮膚に塗布後紫外線を照射したマウスにおいても同様の結果が確認された。以上の結果より、一部の化学物質と紫外線の複合曝露は、皮膚がんを増加させる一要因となる可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Cigarette sidestream smoke delays nucleotide excision repair: inhibited accumulation of repair proteins at DNA lesions (2018)
  • 著者名/発表者名: Yang Guang、Ibuki Yuko
  • 雑誌名: Carcinogenesis 巻: 39 号: 1 ページ: 56-65
  • DOI: 10.1093/carcin/bgx109
  • 査読あり
• [雑誌論文] α,β-Unsaturated Aldehyde-Induced Delays in Nucleotide Excision Repair and the Contribution of Reactive Oxygen Species (2018)
  • 著者名/発表者名: Yang Guang、Ibuki Yuko
  • 雑誌名: Chemical Research in Toxicology 巻: 31 号: 2 ページ: 145-155
  • DOI: 10.1021/acs.chemrestox.7b00304
  • 査読あり
• [雑誌論文] Silver nanoparticle-induced phosphorylation of histone H3 at serine 10 is due to dynamic changes in actin filaments and the activation of Aurora kinases. (2017)
  • 著者名/発表者名: Zhao X, Toyooka T, Ibuki Y.
  • 雑誌名: Toxicology Letters 巻: S0378-4274(17)30186-8 ページ: 39-47
  • DOI: 10.1016/j.toxlet.2017.05.009
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Emerging metrology for high-throughput nanomaterial genotoxicology. (2017)
  • 著者名/発表者名: Nelson BC, Wright CW, Ibuki Y, Moreno-Villanueva M, Karlsson HL, Hendriks G, Sims CM, Singh N and Doak SH
  • 雑誌名: Mutagenesis 巻: 32 号: 1 ページ: 215-232
  • DOI: 10.1093/mutage/gew037
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] Coexposure to silver nanoparticles and ultraviolet A synergistically enhances the phosphorylation of histone H2AX. (2016)
  • 著者名/発表者名: X. Zhao, F. Takabayashi and Y. Ibuki
  • 雑誌名: J. Photochem. Photobiol. B 巻: 162 ページ: 213-222
  • DOI: 10.1016/j.jphotobiol.2016.06.046
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 化学物質によるヒストン修飾と遺伝毒性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 伊吹裕子
  • 雑誌名: Bio Clinica 巻: 31(5) ページ: 93-96
• [雑誌論文] Evaluating the toxicity of silver nanoparticles by detecting phosphorylation of histone h3 in combination with flow cytometry side-scattered light. (2015)
  • 著者名/発表者名: X. Zhao, Y. Ibuki
  • 雑誌名: Environmental Science and Technology 巻: 49 号: 8 ページ: 5003-5012
  • DOI: 10.1021/acs.est.5b00542
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] γ-H2AX is a sensitive marker of DNA damage induced by metabolically activated 4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone. (2015)
  • 著者名/発表者名: Y. Ibuki, M. Shikata and T. Toyooka
  • 雑誌名: Toxicol. in vitro 巻: 29 号: 7 ページ: 1831-1838
  • DOI: 10.1016/j.tiv.2015.07.023
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] 化学物質によるヌクレオチド除去修復の阻害―ヒストン修飾変化と活性酸素種の影響 (2018)
  • 著者名/発表者名: 伊吹裕子
  • 学会等名: 日本酸化ストレス学会東海支部
  • 招待講演
• [学会発表] ヒストンH2AXリン酸化を指標とした光毒性評価法 (2017)
  • 著者名/発表者名: 伊吹裕子
  • 学会等名: フォトダイナミックセラノスティクス研究会
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2017-01-21
  • 招待講演
• [学会発表] タバコ副流煙によるヌクレオチド除去修復の遅延と活性酸素種の関与 (2017)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第30回変異原機構研究会
• [学会発表] たばこ副流煙暴露による紫外線DNA損傷修復の遅延 -マウス皮膚における検討- (2017)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第43回日本毒性学会
• [学会発表] 飽和/不飽和アルデヒド類によるヌクレオチド除去修復の阻害 (2017)
  • 著者名/発表者名: 伊吹裕子, 楊光
  • 学会等名: 第43回日本毒性学会
• [学会発表] たばこ副流煙によるヌクレオチド除去修復の遅延とそのメカニズム (2017)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第46回日本環境変異原学会
• [学会発表] 化学物質と紫外線、一緒に浴びると？－ベンゾ[a]ピレンと紫外線の複合曝露によるDNA損傷を評価する (2017)
  • 著者名/発表者名: 田中美妃, 小牧裕佳子, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア
• [学会発表] 内分泌攪乱物質の塩素化による生体影響 (2017)
  • 著者名/発表者名: 進藤 誉, 小牧裕佳子, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア
• [学会発表] 長波長紫外線UVA1の皮膚細胞への影響 -急速なヒストンのリン酸化 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平井雅篤, 小牧裕佳子, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア
• [学会発表] 長波長紫外線UVA1によるヒストンH3 S10のリン酸化 (2017)
  • 著者名/発表者名: 平井雅篤, 小牧裕佳子, 伊吹裕子
  • 学会等名: ConBio2017
• [学会発表] たばこ副流煙によるヌクレオチド除去修復の遅延とそのメカニズム (2017)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: ConBio2017
• [学会発表] 各種金属ナノ粒子によるヒストン修飾に関する基礎的研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 趙暁旭, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア2016
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2016-12-02
• [学会発表] 不飽和アルデヒドはヒト皮膚細胞の紫外線感受性を亢進させる (2016)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア2016
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2016-12-02
• [学会発表] 各種金属ナノ粒子によるヒストン修飾変化とその誘導メカニズムの検討 (2016)
  • 著者名/発表者名: 趙暁旭, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第45回日本環境変異原学会
  • 発表場所: つくば
  • 年月日: 2016-11-17
• [学会発表] 飽和/不飽和アルデヒド類によるヌクレオチド除去修復の阻害 (2016)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第45回日本環境変異原学会
  • 発表場所: つくば
  • 年月日: 2016-11-17
• [学会発表] タバコ副流煙によるヌクレオチド除去修復の遅延とカルボニル類の関与 (2016)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第29回変異原機構研究会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2016-09-10
• [学会発表] たばこ副流煙によるヌクレオチド除去修復の遅延 (2016)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第３８回 日本光医学光生物学会
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2016-07-22
• [学会発表] 銀ナノ粒子と紫外線の組み合わせによる酸化型DNA損傷の増加とヒストンH2AXのリン酸化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 趙暁旭, 高林ふみ代, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2015-12-11
• [学会発表] タバコ副流煙はヒト皮膚細胞の紫外線感受性を亢進させる (2015)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 富士山麓アカデミック&サイエンスフェア
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 2015-12-11
• [学会発表] タバコ副流煙暴露による紫外線DNA損傷修復の遅延とアルデヒド類の関連性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 楊光, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第44回日本環境変異原学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2015-11-27
• [学会発表] 銀ナノ粒子と紫外線の組み合わせによる酸化型DNA損傷の増加とヒストンH2AXのリン酸化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 趙暁旭, 高林ふみ代, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第44回日本環境変異原学会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2015-11-27
• [学会発表] 銀ナノ粒子と紫外線の組み合わせによる酸化型DNA損傷の増加とヒストンH2AXのリン酸化 (2015)
  • 著者名/発表者名: 趙暁旭, 高林ふみ代, 伊吹裕子
  • 学会等名: 第28回変異原機構研究会
  • 発表場所: 愛知
  • 年月日: 2015-07-25
• [学会発表] Histone modifications induced by chemicals and change of sensitivity to UV. (2015)
  • 著者名/発表者名: Yuko Ibuki
  • 学会等名: 15th International Conference of Radiation Research
  • 発表場所: 京都
  • 年月日: 2015-05-25
  • 国際学会 / 招待講演
• [図書] Handbook of Nutrition, Diet, and Epigenetics (2017)
  • 著者名/発表者名: Ibuki Yuko
  • 出版者: Springer International Publishing AG
• [備考] 光環境生命科学研究室
  • URL: http://sweb.u-shizuoka-ken.ac.jp/~photobio/