視空間と触空間における直線の平行性と収斂性：ユークリッド空間説の検討

• 研究課題/領域番号: 15H03465
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 実験心理学
• 研究機関: 立命館大学
• 研究代表者: 東山 篤規 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (00118001)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円); 2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2015年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
• キーワード: 空間知覚 / 並木実験 / 視覚 / 触運動感覚 / 傾斜の知覚 / 体性感覚 / 平行の知覚 / 視空間 / 傾斜床面の傾斜 / 身体的順応 / 視覚的順応 / 知覚心理学 / 感覚順応 / 水平面 / 実験系心理学 / 視空間の幾何学 / ユークリッド

研究成果の概要

水平面において2竿の方向を調整して奥行き方向に並木道を構成させ，視空間と触運動空間の幾何学を竿の勾配によって推定した．並木は１）2竿の間隔が等しく見える等距離教示，２）2竿が前後に延長されたと想定したときに遠くで交わって見えないようにする非交差教示，３）2竿が前額面に直交して見える直交教示が与えられた．どちらの空間においても，3教示による2竿の方向は一致した．これはユークリッド空間の予想と一致する．視角の大きさが過大に知覚されるということを仮定して，2竿の遠間隔と近間隔の視角関係を検証したところ，視空間はユークリッド空間とみなせたが，触運動条件ではユークリッドモデルは適合しなかった．

研究成果の学術的意義や社会的意義

視空間と触運動空間がどのような幾何学によって記述されるのか検討した．約2メートルの長さの2竿を用いて，特定の知覚的基準（平行性，等距離性，直交性）を満たすように，各空間の奥行方向に2竿の方向を調整させた．その結果，視空間はユークリッド空間によって記述できるが，触運動空間はユークリッド空間，楕円的空間，双曲的空間のいずれによっても記述できなかった．これまで視空間の幾何学に関する半世紀以上の研究に終止符を打つとともに，触運動空間の幾何学に関する研究の糸口を与えるものである．

研究成果

• [雑誌論文] Somatic perception of floor inclination (2019)
  • 著者名/発表者名: Atsuki Higashiyama and Tadashi Yamazaki
  • 雑誌名: Acta Psychologica 巻: 199 ページ: 102896-102896
  • DOI: 10.1016/j.actpsy.2019.102896
  • 査読あり
• [雑誌論文] いろいろな逆さまの世界 (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 雑誌名: 理大科学フォーラム 巻: 12 ページ: 2-5
• [雑誌論文] 鏡の中の視覚的空間 (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 雑誌名: 日本バーチャルリアリティ学会誌 巻: 22 (4) ページ: 8-14
• [雑誌論文] 斜面をつくるきめの勾配刺激の複合性：J. J.ギブソンの遺した課題 (2016)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 雑誌名: 立命館文学 巻: 646号 ページ: 43-58
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] Anisotropic perception of slant from texture gradient: Size contrast hypothesis (2016)
  • 著者名/発表者名: Atsuki Higashiyama and Tadashi Yamazaki
  • 雑誌名: Attention, Perception, & Psychophysics 巻: 78 号: 2 ページ: 647-662
  • DOI: 10.3758/s13414-015-1024-0
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 見かけの直線的大きさと角度的大きさ (2015)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 雑誌名: 立命館文学 巻: 641号 ページ: 32-43
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] The effects of luminance, size, and duration of a visual line on apparent vertical while the head is being inclined in roll (2015)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規・村上嵩至
  • 雑誌名: Attention, Perception, & Psychophysics 巻: 77 号: 2 ページ: 681-691
  • DOI: 10.3758/s13414-014-0774-4
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [学会発表] Visual and kinesthetic alleys formed with sticks (2019)
  • 著者名/発表者名: Atsuki Higashiyama
  • 学会等名: The 42nd Annual Meeting of European Conference on Visual Perception
• [学会発表] 身体姿勢と視知覚 (2019)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 日本機械学会関西支部第94期定時総会講演会
  • 招待講演
• [学会発表] さまざまな逆さまの世界 (2018)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 第34回日本臨床皮膚科医会近畿ブロック総会・学術大会
  • 招待講演
• [学会発表] 傾斜面に対する視覚および体性感覚の順応－Gibson仮説とKohler仮説の比較 (2018)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規・山崎校
  • 学会等名: 関西心理学会第130回大会
• [学会発表] 身体姿勢と視知覚 (2018)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 日本科学哲学会第51回（2018）年次大会
  • 招待講演
• [学会発表] Judgments of visual somatic inclination: Evidence against visual capture (2018)
  • 著者名/発表者名: Atsuki Higashiyama and Tadashi Yamazaki
  • 学会等名: The 41th Annual Meeting of European Conference on Visual Perception（ECVP2018)
  • 国際学会
• [学会発表] 身体姿勢と視知覚 (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 第43回感覚代行シンポジウム
  • 招待講演
• [学会発表] 奥行き方向における平行線 －視空間と触運動空間のユークリッド性の検討－ (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 関西心理学会第129回大会
• [学会発表] Visual and Somatic Adaptation to Slanted Floor (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規・山﨑校
  • 学会等名: The 40th Annual Meeting of European Conference on Visual Perception
  • 国際学会
• [学会発表] 股のぞき効果：謎とその解明 (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 第11回箱根ドライアイクラブ
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 姿勢（直立，横臥，股のぞき）と距離の知覚 (2017)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 日本計算機統計学会第31回大会
  • 招待講演
• [学会発表] 鏡映世界の距離と奥行き：反射材の効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規・對梨成一
  • 学会等名: 関西心理学会
  • 発表場所: 京都大学（京都府，京都市）
  • 年月日: 2016-11-03
• [学会発表] Apparent depth in glass, bronze, and nickel mirrors: Color effects. (2016)
  • 著者名/発表者名: Ａｔｓｕｋｉ Ｈｉｇａｓｈｉｙａｍａ， Ｓｅｉｉｃｈｉ Ｔｓｕｉｎａｓｈｉ
  • 学会等名: The 39th Annual Meeting of European Conference on Visual Perception
  • 発表場所: バルセロナ（スペイン）
  • 年月日: 2016-08-28
• [学会発表] 枠組みが２次元画像の奥行き感に及ぼす影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 下野孝一・東山篤規・木原健・Ono Hiroshi
  • 学会等名: 日本視覚学会2016年夏季大会
  • 発表場所: 新潟コンベンションセンター（新潟県，新潟市）
  • 年月日: 2016-08-17
• [学会発表] Determination of the Somatosensory Horizontal Plane. (2015)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: Psychonomic Society's 56th Annual Meeting
  • 発表場所: シカゴ（米国）
  • 年月日: 2015-11-19
• [学会発表] 奥行き方向に伸びる交叉線：視空間のユークリッド性の検討 (2015)
  • 著者名/発表者名: 東山篤規
  • 学会等名: 関西心理学会
  • 発表場所: 関西学院大学（兵庫県・西宮市）
  • 年月日: 2015-11-08
• [学会発表] Framing can enhance the perceived depth of a picture (2015)
  • 著者名/発表者名: 下野孝一，東山篤規，相田紗織
  • 学会等名: The 38th Annual Meeting of European Conference on Visual Perception
  • 発表場所: リバプール（英国）
  • 年月日: 2015-08-23