研究課題
基盤研究(B)
場の量子論において、素粒子は真空からの励起状態として記述されると同時に、その真空を決めるのも素粒子を構成する場の力学である。ゲージ理論はゲージ変換で移り変わるものを同じとみなして理論を定義するが、そのゲージ変換が時空に絡みつくトポロジカルな場の配位が真空の構成に重要な役割を果たす。本研究では、ゲージ理論のトポロジカルな性質の解明のために、格子ゲージ理論のシミュレーションを行い、宇宙が高温となったときの様子や、真空中でのクォークの役割などに関して新しい結果が得られた。
アクシオンは、我々の素粒子の作り出す真空を変化させる仮想粒子で、宇宙の暗黒物質の候補である。暗黒物質となるには、宇宙の歴史において、アクシオンの質量がどのように変化してきたかを知る必要があった。そこで、本研究では格子QCDのシミュレーションの新手法を開発し、これまで計算可能でなかった高温領域でのアクシオン質量計算に成功した。その他、トーラス上のゲージ理論やクォーク質量の定義に関して新しい結果が得られた。これにより、我々の「真空」の理解は大きく進んだと言える。また、我々の宇宙がどのように成り立っているのかという根本的問題にも重要な知見が得られた。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 4件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 17件、 謝辞記載あり 11件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 21件、 招待講演 18件) 備考 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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