研究課題/領域番号 |
15H03684
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 寛 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00181298)
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研究分担者 |
村川 智 東京大学, 低温センター, 准教授 (90432004)
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研究協力者 |
中村 祥子
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
2017年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2016年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2015年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 量子スピン液体 / 量子液晶 / 2次元フェルミ系 / 異方的超流動 / 単原子層 / マヨラナ粒子 / 固体ヘリウム |
研究成果の概要 |
グラファイト表面に物理吸着した単原子層ヘリウム3(3He:核スピン1/2)の比熱を超低温まで測定し、以下の新しい知見を得た。(1)量子固体と量子液体の中間に量子液晶が存在し、その正体は量子ヘキサティック相である可能性が高い。そして、従来から知られていたギャップレス量子スピン液体(QSL)状態出現の要因はこの量子液晶性にある。(2)グラファイト表面を水素の2分子層でコートした系で新たな3He整合相を発見し、比熱や帯磁率が特異な温度依存性をもつ新奇なQSL状態を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多数のヘリウム3原子を固体表面ごく近傍の2次元空間に閉じ込めて超低温に冷却すると、これまで知られていないさまざまな集団的な振る舞いを見せる。本研究では、絶対零度でも一定の流動性と結晶性を併せもつ「量子液晶」という物質相が存在すること、それが他のさまざまな物質系で議論されている「量子スピン液体」という新しい磁性状態の要因である可能性を示した。また、固体表面の周期的な吸着ポテンシャルの中で、ヘリウム3原子が規則的に並ぶ相が見つかり、そこではまた全く異なる量子スピン液体状態が実現していることも見出した。これらの新奇磁性は量子計算機の新しい基礎原理にもつながる。
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