研究課題
基盤研究(B)
地球中心に位置する固体金属の内核における地震波異方性の成因を探るため、hcp鉄の変形実験と熱伝導率測定を行った。変形実験の結果得られた結晶選択配向は、主要すべり系が底面すべりであることを示し、これをもとに計算された異方性の大きさは内核の地震波異方性を十分に説明できるものであった。熱伝導率測定の結果、hcp鉄は方位によって3~4倍の差のある大きな熱伝導率異方性を持つことが明らかになった。この異方性は内核中の温度不均質を強くする作用を持つと考えられる。
地球中心に位置する内核を南北の極方向に伝播する縦波(P波)は赤道方向へ伝播するものに比べて約3%も高速であることが知られている(地震波速度異方性)。この原因として、様々な仮説が提唱されてきたが、いまだに一致した見解は得られていない。本研究の結果は内核内での変形流動により結晶が特定方位に配列することで内核の地震波速度異方性がうまく解釈できることを示し、この謎を解き明かすうえでの判断材料を提供した。
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