研究課題
基盤研究(B)
溶液中のアクチノイドの原子価変化と凝集反応という二つの反応が組み合わさった複合反応のメカニズムを、電気化学分析、水晶振動子マイクロバランス、インピーダンス測定により解明を試みた。ウラン4価の還元析出物であるコロイドが存在するとウラン5価の還元速度が増加することを見いたした。この触媒効果は、ウラン以外にもジルコニウム4価等の水酸化物コロイドが共存する場合にも観測されることを明らかにした。またウランとネプツニウムで電解析出挙動に明確な違いがあること、この差が析出化学種の電気化学特性に起因することを明らかにした。
福島第一原子力発電所の廃炉や放射性廃棄物処分時の環境水中でのウラン等のアクチノイドイオンの挙動予測は、安全評価上重要である。本研究では、原子価変化と凝集反応の二つの反応が組み合わさった新しい反応過程を見出し、その生成化学種を明らかにできた。今後の環境中での挙動予測において、新しい反応モデルの提案につながる成果である。
すべて 2019 2018 2017 2016 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 5件)
ECS Transactions
巻: 75 号: 27 ページ: 51-57
10.1149/07527.0051ecst