研究課題/領域番号 |
15H04267
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
神野 尚三 九州大学, 医学研究院, 教授 (10325524)
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研究分担者 |
古江 秀昌 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20304884)
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研究協力者 |
山田 純
大篭 友博
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2018年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2017年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2016年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2015年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
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キーワード | 成体海馬神経新生 / 背側海馬・腹側海馬 / 植物由来エストロゲン類縁体 / 腸内細菌叢 / コンドロイチン硫酸 / 豊かな環境 / ケタミン / 腹側海馬・腹側海馬 / 抗うつ作用 / 神経科学 / 脳・神経 / 解剖学 / 神経新生 / 海馬 / enriched environment / 老化 / ラクトバチルス・アシドフィルス / ダイゼイン |
研究成果の概要 |
成体海馬神経新生の制御機序に関し、マウスを用いて組織化学的、分子生物学的、行動薬理学的な手法を組み合わせる集学的研究を展開した。主な成果は以下のとおりである。(1) 植物由来エストロゲン類縁体の作用を検討し、大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが背側海馬の神経新生を促進することを発見した。(2) 細胞外マトリックスの一種であるコンドロイチン硫酸の作用について検討し、「豊かな環境」による成体海馬神経新生の促進は、コンドロイチン硫酸の増加を介することを発見した。(3) 腸内細菌叢の作用を検討し、乳酸菌の一種であるラクトバチルス・アシドフィルスが背側海馬の神経新生を促進することを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海馬で生涯続く新たなニューロンの産生は成体海馬神経新生現象と呼ばれ、脳機能の重要な発現基盤の一つであると考えられている。近年、新たなニューロンの産生がストレスや加齢によって抑制され、抗うつ薬や運動、刺激の豊かな環境によって促進されるメカニズムに注目が集まっている。これは、新生ニューロンの産生を増加させることができれば、アルツハイマー病やうつ病の新たな治療起点となる可能性があるためである。一連の研究成果は、成体海馬神経新生現象の制御メカニズムの解明につながる基礎研究としての学術的な意義を有するだけでなく、同現象をターゲットとする新たな治療戦略を創出するという社会的意義を有するものである。
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