研究課題/領域番号 |
15H04364
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
西坂 崇之 学習院大学, 理学部, 教授 (40359112)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2018年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2017年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2016年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2015年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | アーキア / 分子モーター / 光学顕微鏡 / アーキアべん毛 / アーキアラ / ハロアーキア / IV型分泌装置 / ATP駆動型回転モーター / ハロバクテリウム / クロスカイモグラフィー / クロス・カイモグラフィー / archaella / 遊泳運動 / 回転分子モーター / アーキアモーター / archaea / Halobacterium salinarum |
研究成果の概要 |
生命科学において未踏の領域であった、アーキア(古細菌)が遊泳するメカニズムについて、生物物理学の視点より解明した。極限環境で生息するアーキアのべん毛は、理解が進んでいる真核生物の分子モーターや大腸菌のべん毛と異なり、分泌装置がベースとなったATP駆動による独自の運動機構を備えている。このアーキアべん毛について、らせんの構造・運動装置の特徴・それが生み出す流体への推進力の定量化・単位素子が生み出すステップを検出し、原著論文としてNature Microbiologyに発表した。さらにエネルギー変換の詳細を明らかにすることによって、全てのATP駆動型回転モーターに適応できる新しい学説を提案した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子モーターは化学エネルギーを力学運動に変換する機能を持つ蛋白質である。究極のナノマシンであるという認識から、モーターの研究はここ20年で飛躍的な進歩を遂げたが、アーキア遊泳を生み出す装置は手つかずのまま残されていた。この分子メカニズムは、細菌学のみならず生物物理・進化・タンパク質科学からも注目すべき課題であるはずだが、培養条件や実験の再現性の難しさから、世界的に見てもドイツの1グループを除いて大きな進展は見られなかったのである。本課題では、遊泳の仕組みを分子メカニズムにまで踏み込んで明らかにすることに成功した。生物物理においてアーキアモーターという新しい研究分野が開拓されたことになる。
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