研究課題
基盤研究(B)
ゴビ砂漠北部のツォクトオボー(TsO)において、黄砂発生メカニズム解明の観測を行った。TsOにある約10kmの窪地は水食で細かい土壌粒子が集積することで黄砂発生源となっているが、降水が多い夏は、窪地に雨水が集積することでクラストが形成し、植生が繁茂する。これらが翌年春の黄砂発生を抑止することを明らかにした(クラスト効果・枯れ草効果)。窪地にはレキが無いが、斜面、丘に移動するにつれてレキ量が増加する。これが黄砂発生の空間的差異の原因となる(レキ効果)。現地調査のレキ量データを用いた数値実験からレキ効果を定量的に明らかにした。室内実験を実施し、土壌水分とクラスト強度の関係を明らかにした。
黄砂は健康、生態系、気候変動等に影響する。発生域では砂塵嵐という気象災害である。健康影響や気象災害といった悪影響を未然に防ぐための予報システム構築や、将来気候予測のためには黄砂発生数値モデルの高精度化が必要であるが、黄砂発生に影響する土壌粒径、土壌水分、レキ、クラスト、植生量といった様々な地表面要素を把握することと各地表面要素と臨界風速(黄砂が発生し始める風速)の関係が明らかになっていないため、今日の黄砂数値モデルの精度は不十分である。本研究では、黄砂が頻繁に発生していることが明らかになっているモンゴルのツォクトオボーにおいて黄砂発生解明のための観測を行い、黄砂数値モデルの精度向上を進めた。
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