研究課題/領域番号 |
15H05236
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
生物多様性・分類
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
副島 顕子 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (00244674)
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研究分担者 |
塚谷 裕一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90260512)
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研究協力者 |
岡田 博
永益 英敏
ダルナエディ デディ
ウタミ ナンダ
スレイマン モニカ
アナック ビビアン
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2017年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2016年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2015年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 系統分類 / 共生進化 / 形態形成 / 植物系統分類学 / 形態形成遺伝子 / 生物多様性 / 遺伝子 / 共生 |
研究成果の概要 |
ボルネオ島固有種のCallicarpa saccataという植物は,日本にも分布するムラサキシキブの仲間であるが,葉の基部が袋状になり,その中にアリが住むという特殊な形質をもつ.野外調査と分子系統解析により,花外蜜腺の役割をもつ腺点や枝の空洞といった,アリ植物としてはより一般的な形態特徴をもつ複数の他の種が近縁種に存在することが明らかになり,アリとの共進化が段階的に起こったことが示された. 一方,葉身基部の袋を形成する遺伝的な背景として,シロイヌナズナにおいて葉身の発生異常に関することが知られているBOP相同遺伝子がC. saccatasの葉原基の基部で発現していることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物種は互いにさまざまな相互作用を行いながら,複雑な生態系を形成している.その中でも特に,強い固有の結びつきを持つ特異的な関係は,その進化の過程において影響し合う共進化によって生じてきたと考えられる. アリ植物はその特殊な例のひとつであり,多くの植物のグループで知られている.しかし,本研究で発見されたような,近縁な種間にアリとの段階的な共生系が存在している例は稀であり,共進化の過程を理解する上で大きな意義が認められる. 一方,特殊な形態変化が生じる遺伝的背景に関わる遺伝子が特定できたので,今後,形態発生における遺伝子発現のメカミズムとその進化背景についての解明が進むことが期待できる.
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