研究課題
若手研究(A)
海洋地殻(玄武岩)に多く含まれる還元体鉄(2価鉄)の酸化反応は、海底下微生物圏を支えるエネルギー獲得反応の1つであり、また海洋地殻の風化作用全体を促進する反応である。水溶解性がきわめて低い海洋地殻から2価鉄を効率よく利用するため、微生物は多様な戦略を有すると推測されるがこれまで詳細な機構は未解明な点が多い。本研究では、未風化の海洋地殻試料をもちいた現場培養アプローチに基づき、微生物による海洋地殻の風化作用およびエネルギー獲得反応機構を調べた。その結果、放射光源X線分光法を用いて、回収試料を分析した結果、微生物によって海洋地殻中の鉄酸化反応および風化作用が促進されることが明らかとなった。
上述の通り、海洋地殻である玄武岩の酸化風化は海洋のCO2固定を促進するため、地球規模の炭素循環を考える上でも重要な反応である。本研究では、ナノスケールの空間分解能を有する先端的X線顕微鏡を利用して、鉱物-微生物細胞界面における鉄、酸素、炭素の元素分布さらには化学種分析をおこない、海底下微生物が玄武岩風化を促進させる分子レベルでの証拠を得た。これらの知見は、地球規模の炭素循環に果たす海底下微生物の影響を再考するきわめて重要な知見となる。
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