研究課題
若手研究(A)
本研究は、弓矢技術の存在を示唆する間接的・直接的な考古学的証拠を多角的に集成・解析し、弓矢猟の出現と波及プロセスを解明する。そのため、弓の投射実験によって石器に生じるマクロ・ミクロ痕跡のデータベースを構築すると共に、石鏃、矢柄研磨器、弓のデータベース構築を行った。本研究で行った調査研究により、ホモ・サピエンスが出アフリカを果たし、ユーラシア大陸各地に拡散した頃には、投槍器あるいは弓矢に関する技術を獲得していた可能性が高いことがわかってきた。また、本研究で進めた石鏃、矢柄研磨器、弓のデータベースの解析から、晩氷期において弓矢猟が主体となる可能性が高いことを導き出した。
弓矢猟や投槍器猟の出現期に関する研究は、各地でホモ・サピエンスが先行人類に取って替わった謎を理解する上で極めて重要である。本研究の成果は、ホモ・サピエンスがユーラシア大陸に拡散する時に、既に両技術のどちらかあるいは両方を所有していた可能性を示した点において重要である。また、同技術の出現は、人類の認知能力の発達を示す指標としても注目されており、言語等の現生人類に見られる固有の生物学的特性の発達過程を理解する上でも重要なデータを提供する。
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