研究課題
若手研究(A)
本研究では幼児期における社会的認知の発達ならびにその個人差に焦点を当てた。自閉症スペクトラム障害を持つ子どもも対象とし、自閉症の障害発生機序について実証的に解明することを目的とした。複数の研究を通して、他者の心の理解に関連した要因に関する成果が得られた。具体的には、縦断研究から、他者の心的状態を追跡してその因果を見出す心理的因果関係を理解することが、自分とは異なる他者の心的状態の理解を予測することが明らかになった。また、自閉症児はこれらの発達に遅れが見られることが多いが、その一因として、情報を処理する有効視野の狭さがあることが明らかになった。
本研究を通して、幼児期に急速に発達していく他者の心の理解を直接予測する要因の一つを特定できたことに学術的意義がある。また、他者の行動に対する社会的な反応や他者の行動を模倣学習する基準についても発達的な観点から明らかにした。これらの知見は、自閉症スペクトラム障害を持つ幼児を見出だし、また、他者の心の理解に向けた支援を構築していく上で一石を投じるものであることに社会的な意義がある。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (32件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件)
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