研究課題
若手研究(A)
触媒を用いたラジカル反応によるタンパク質ラベル化において、タンパク質ラベル化反応を触媒周辺の数nm~数十nmの範囲内で制御することを目標とした。Peroxidaseを触媒とした手法、光レドックス触媒を用いた方法の2つのアプローチにより、ラジカル反応でタンパク質をラベル化できる低分子のラベル化剤を開発した。また、ラベル化剤のラジカル特性を精査しつつ触媒からのラベル化有効距離を評価することで、ナノメートル単位での触媒的反応空間を制御し、タンパク質の会合状態やリガンド‐タンパク質間相互作用を解析できる基盤技術を確立した。
タンパク質を基盤としたバイオマテリアル、創薬において近年タンパク質部位特異的な化学修飾技術が求められている。また、タンパク質間相互作用は生命現象の理解や創薬開発において、重要な研究対象であり、新たな解析手法の開発が望まれている。タンパク質1分子の大きさはおおよそ5~10 nmであり、ナノメートル単位で反応部位を制御することができるタンパク質ラベル化手法は、“タンパク質の部位特異的ラベル化”や“タンパク質の会合状態を検出する方法”に直結する基盤技術である。そのような研究背景の中で、本研究では、触媒周辺の数nmから数十nmでタンパク質ラベル化を制御できる手法を確立した。
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