研究課題
若手研究(A)
ハクサイの雑種強勢の分子機構の解明を目指して、遺伝学的解析、エピゲノム解析、及びトランスクリプトーム解析を行った。遺伝学的な解析では、両親系統間の遺伝距離と雑種強勢には相関が見られないことを明らかにした。そして、QTL解析により、播種後14日の葉面積の大きさや収量に関わるQTLを同定した。エピゲノム解析では、両親系統とF1について、DNAメチル化及びヒストンの化学修飾状態を比較した。トランスクリプトーム解析では、RNA-sequencingにより、両親系統とF1で発現レベルが異なる遺伝子を同定し、播種後2日では、葉緑体ターゲット遺伝子の発現がF1で高くなることを明らかにした。
両親系統間の遺伝距離と雑種強勢の関連性については様々な植物種で議論されているが、少なくとも本研究によりハクサイでは、両親系統間の遺伝距離を指標に雑種強勢の発現を予測できないことを示した。これにより、雑種強勢は、ある特定領域のヘテロ接合性が重要であると予想される。本研究により、雑種強勢が見られる形質について複数のQTLを同定した。今後、これらの領域について更なる解析を進めることで、雑種強勢に重要な遺伝子領域の同定へと繋がれば、DNAマーカー等により両親系統の選抜や両親系統の組合せ能力検定にかかるコストと労力の軽減が期待され、その社会的な意義は大きいと考える。
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