研究課題
若手研究(A)
本研究は,土壌の通水性(滞留時間)と土壌を通過する栄養塩類濃度の変化を定量的に評価した。浸透速度の増加にともない,土壌カラムの長さによらず,土壌カラムを通過する栄養塩類の変化量は低下した。特に,リンでは,浸透速度の増加に伴い土壌内の分布が均一になる傾向が顕著に見られた。土壌カラムを通過するリン濃度は浸透速度が遅いほど低く,土壌による吸着の効果(吸着率)が高いと判断される。一方で,浸透速度が速いほど供給リン量は多くなり,土壌に吸着されたリンの量も多くなった.つまり,土壌は高い物質緩衝能力を持つが,常にその最大を発揮するわけではなく,浸透速度によって変わることが示された。
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