研究課題
若手研究(A)
本研究助成により、ストレスを受けていないラットから放出され、受容個体のストレスを緩和する安寧フェロモンの放出部位を特定し、その候補分子を4つにまで絞り込むことができた。またこの安寧フェロモンと、これとは逆の作用を持つ警報フェロモンの脳内作用メカニズムに関しても検討した。その結果、安寧フェロモンは前嗅核後部を活性化し、その活性化が外側扁桃体核間細胞塊を介して扁桃体外側核を抑制することで、受容個体のストレスを緩和することが示唆された。一方で警報フェロモンは受容個体の分界条床核を活性化することで、不安行動を引き起こすことが示唆された。
本研究の成果は、害獣制御方法としてフェロモン関連物質を利用する新たな方法の提起にもつながると期待される。現代においても飲食店や食料品販売店はほぼ例外なくネズミの被害に遭い続けているが、これらは野生ドブネズミによるものである。野生ドブネズミとラットは同種であることを考えると、ラットの不安を抑制する安寧フェロモン分子を同定することができれば、それを塗布することで野生ドブネズミを捕らえる罠の捕獲効率を高めるような応用的展開の可能性も拓けると考えられる。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 2件、 査読あり 15件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 11件、 招待講演 4件) 図書 (2件) 備考 (2件)
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