研究課題
若手研究(A)
リン脂質は、細胞膜や血漿リポタンパクの主要構成成分である。リン脂質の構造により、ホスファチジルコリン(PC)やホスファチジルイノシトール(PI)などのクラスに分別される。しかし、これまで高感度かつハイスループットなリン脂質定量法は存在しなかった。本研究では、酵素蛍光法で定量できるリン脂質クラスを増やし、全主要リン脂質クラスに対する酵素蛍光定量法を完成させた。さらに、この全主要リン脂質クラス酵素蛍光定量法を利用して、培養細胞におけるリン脂質クラス組成に対する細胞密度変化や酵素発現の影響を詳細に評価した。また、肝臓から胆汁へのリン脂質排出メカニズムについて明らかにした。
従来、リン脂質の定量は、TLC/リン定量法などにより行われてきたが、微量の生体試料に含まれているリン脂質をクラスごとに定量解析するには十分でなかった。そこで、これまでに研究代表者はリン脂質クラスのうちPA・PC・PE・PS・SMに対する酵素蛍光定量法を確立していた。本研究では、PIとPG・CLの酵素蛍光定量法の開発に成功した。これにより、主要な全リン脂質クラスに対する高感度・高精度かつハイスループットな網羅的一斉定量法がついに完成した。本定量法は、培養細胞実験に加えて動物実験や植物・微生物実験を含む生命科学研究全般ならびにバイオマーカー探索等の臨床研究に活用されることが期待できる。
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