研究課題/領域番号 |
15H05698
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 修 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (50195781)
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研究分担者 |
畑中 美穂 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (80616011)
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研究協力者 |
北之園 拓 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教 (50755981)
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研究期間 (年度) |
2015 – 2019
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
547,560千円 (直接経費: 421,200千円、間接経費: 126,360千円)
2019年度: 86,840千円 (直接経費: 66,800千円、間接経費: 20,040千円)
2018年度: 99,060千円 (直接経費: 76,200千円、間接経費: 22,860千円)
2017年度: 89,310千円 (直接経費: 68,700千円、間接経費: 20,610千円)
2016年度: 87,750千円 (直接経費: 67,500千円、間接経費: 20,250千円)
2015年度: 184,600千円 (直接経費: 142,000千円、間接経費: 42,600千円)
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キーワード | 反応有機化学 / 水溶媒 / 水中特異的 / 不均一系触媒 / 不斉反応 / 不溶性 / 人工触媒 / 環境調和型 / ミセル / 質量分析 / 水中 / ケイ素共役付加反応 |
研究成果の概要 |
本研究課題の主たる指針は、水中でしか進行しない反応、水中でしか発現しない選択性を追求すべく、水中で有効に機能する触媒系と水中における新規反応場構築法の模索である。また基質すら溶けない不均一系反応ゆえに、従来は研究展開の足枷になっていた機構解明の不可能性に対し、計算化学における新モデル構築や新規分析法の確立を突破口とすること、さらに水を媒体とする反応の根底にある「生体中での反応系」へのアプローチをも網羅した、極めて挑戦的なプロジェクトである。そのような背景の下、「媒体としての水の不可欠性」を提示する反応系が未発表データを含めて多数見出されたこと、基質や触媒などの低い溶解性のため通常の分光学的手法の通用しない、ブラックボックス化していた「水中反応」の世界に、計算化学や質量分析法などを駆使して漸くメスが入り知見が蓄積されつつあること、の2点は想定以上の学術的意義である。更に、水中での有機反応の反応機構の解明において得られた知見は、反応条件の改善に活かされるなど実験化学へと還元されており、また水中における分子挙動に関する一般的な解釈が整いつつあることから、当初は実現性に乏しかった「水中における反応のモデル化」という本研究課題の集大成についても現実的な見通しが立てることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
未発表の業績も含め学術的価値の高い業績が多数得られており、従来の有機溶媒を中心とする有機化学とは異なる新しい有機化学としての世界的な認知も一層加速されるものと考えられる。水中で有効に機能する触媒の開発においては、Lipshutz教授らによって纏められた総説(ACS Sustainable Chem. Eng. 2016)の“Nature vs the organic chemist : who wins?”と題するセクション中で本研究課題で得られた難溶性銅塩表面での不斉反応事例(JACS 2015)が新しい化学を切り拓くのに必須であるだろう(be crucial for the success of this new chemistry)と記述されているなど、これまでの有機溶媒を中心とする有機化学とは異なる新しい有機化学としての認知が進んでいることが客観的にも示されている。
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評価記号 |
検証結果 (区分)
A
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評価記号 |
評価結果 (区分)
A: 当初目標に向けて順調に研究が進展しており、期待どおりの成果が見込まれる
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