研究課題
研究活動スタート支援
北海道を中心とした日本国内各地、ならびに海外各地において、マダニを採集しフレボウイルス遺伝子のスクリーニングを行った。合計4属10種約2千匹のマダニより、プールを含む94検体中でフレボウイルス遺伝子を検出した。検出されたフレボウイルス遺伝子の塩基配列を系統解析したところ、日本のマダニから検出されたフレボウイルス遺伝子は11群の、海外2カ国のマダニから検出されたウイルスはそれぞれ独立した群を形成し、SFTSウイルスとは遺伝的に大きく離れていた。日本の5群は既存のどのフレボウイルス種とも系統的に異なり、新規フレボウイルスである可能性が示唆された。本研究では、日本国内外のマダニからフレボウイルス遺伝子を検出し、マダニ中には、これまで知られている以上に多様なフレボウイルスが存在する可能性を明らかにした。フレボウイルス遺伝子が検出されたマダニ乳剤を培養細胞に接種し、ウイルス分離を試みたところ、日本の限定された地域で採集されたシュルツェマダニからのみ検出される互いに近縁な2種の新規フレボウイルスの分離に成功した。これらのウイルスの遺伝子全長配列を次世代シークエンサーにより決定したところ、マダニ由来フレボウイルスのいずれともまったく異なる新しい系統に属することが分かった。さらに、このウイルスをC57BL/6マウスに皮下接種したところ、感染3日後に脾臓でのウイルス増殖が確認され、哺乳動物での増殖性を有していることが明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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