研究課題
研究活動スタート支援
<Polζゲノム科学的解析に必要な分裂酵母株の作成>リボヌクレオチドを高頻度の取り込むPolζをコードする変異遺伝子の作成に着手した.第一に,Polε,PolδとPolζのカタリティックドメインのアライメントを作成し,Polζの変異されるべきアミノ酸を特定した.その後,Polζをコードする遺伝子(rev3)をプラスミドにクローニング後,当該アミノ酸が変異した遺伝子を作成した.その遺伝子をcre-loxシステムを用いて,分裂酵母の内在のrev3遺伝子と置換した.この酵母を使用して,細胞内での変異Polζの機能を解析した結果,多少の機能低下は観察されるものの,PolζのDNA合成能は失われていないことが判明した.現在,変異PolζのDNA合成によるリボヌクレオチドの取り込み定量を行っている.今後は,この株を利用して,ゲノムワイドにPolζ合成領域の特定(Pu-seq)を行う.変異Polζ遺伝子をコードする酵母株の作成と並行して,PolζによるDNA合成が必要となる細胞株の樹立もおこなった.Polζ欠損株とPolεの機能が低減した株をかけ合せて結果,PolεとPolζの二重変異株において顕著な増殖阻害が観察された.これは,Polε変異体でゲノム中のPolζの合成領域が拡大していることを示している.よって,Polε変異体において,Polζを対象としたPu-seq実験を行い,Polζがリーディング鎖合成を担うPolεを補助する仕組みを今後検証する.<細胞内でのPolζの1分子レベルでの観察に必要な酵母株の作成>PALM法を用いて,Polζの細胞内1分子観察を行うため,Polζのカタリティック因子のN末端にmEos蛍光体が結合した遺伝子の作成に着手した.現在までに,Polζ遺伝子とmEos遺伝子が結合した配列のプラスミド上へのクローニングが完了し,現在,酵母株への導入を行っている.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Nat. Protocol
巻: 10 号: 11 ページ: 1786-1801
10.1038/nprot.2015.116
Nat. Struct. Mol. Biol.
巻: 22 号: 11 ページ: 932-938
10.1038/nsmb.3100