研究課題/領域番号 |
15H06195
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
大野 松彦 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 研究員 (10757321)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2016年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2015年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 黙示録美術 / 宮廷礼拝堂 / カールシュテイン城 |
研究実績の概要 |
本研究は、西欧中世(9-14世紀)の宮廷美術における黙示録を王権/皇帝権表象の文脈において新たに考察し、黙示録を「王の主題」として概念化することを目的とする。そのために、①カール大帝のアーヘン宮廷礼拝堂(800年頃奉献)、②ルイ九世のサント・シャペル(1248年奉献)、③カール四世のカールシュテイン城宮廷礼拝堂(1357/1365年奉献)に表わされたモニュメンタルな黙示録作例を研究対象として取り上げた。 これら三つの礼拝堂は、宮殿複合体に隣接する壮麗な国王礼拝堂であり、国王権標と受難の聖遺物を納める特別な機能を持っていた。その主要壁面――アーヘンでは円蓋、パリのサント・シャペルでは薔薇窓、カールシュテイン城では王宮礼拝堂の全壁面――に黙示録の栄光場面ないし大規模連作が表わされたわけである。本研究では、理念史的に関連するこれらの宮廷的黙示録が、一般的な終末論的期待を表わす図像ではなく、中世のキリスト模倣論的王権にとっての栄光を表明する図像であることを提唱した。上掲三つの宮廷礼拝堂の黙示録が、王の主題としての黙示録の理念史的系譜の基本線となることを確認し、本研究の基調的考えを論考の一部として出版した(「カールシュテイン城の黙示録―母型としての英仏黙示録、モニュメンタル化によるその変容―」『黙示録の美術』ヨーロッパ中世美術論集2、竹林舎 2016年、pp.285-318)。 以上のように、本研究で黙示録の「王の主題」としての側面を浮彫りにし、その基本的概念および理念史的系譜を提示することができた。この成果を踏まえ、今後本研究をより精密かつ体系的に完成させるには、上掲作品を中心に宮廷的黙示録美術に関する個別的な調査研究を進める必要がある。また中世神授王権と黙示録、中世政治神学と黙示録釈義学の関連についても考察を加え、本研究を補強すべきであろう。
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現在までの達成度 (段落) |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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