研究課題/領域番号 |
15H06280
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武市 拓也 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30754931)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2015年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2015年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 角化異常症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、先天性魚鱗癬の包括的病態解明を目指し、新規治療法開発に直結する基礎的データを得ることである。平成27年度の計画は、先天性魚鱗癬の患者と家族のDNAと皮膚組織を用いる研究であった。研究計画に基づいて、既存の病因遺伝子変異のない先天性魚鱗癬の25症例と、非罹患血縁者の中で、表現型がはっきりしている症例、劣性遺伝が推測しやすい家系、血縁者のDNAを多く収集できた家系を10家系選び、患者の末梢血より抽出したgDNAを用いて、全エクソームシークエンス法を行った。全エクソームシークエンス解析には、Illumina社のHiseq2000とHiseq2500を使用した。その結果、10症例の中で、サンガーシークエンス法では特定できなかった、既存の原因遺伝子の変異を持つ家系が数家系あった。以前に、先天性表皮水疱症においても、従来のサンガーシークエンス法より、全エクソームシークエンス法を用いた方が、遺伝子変異の同定率が上昇することを報告している。今回得られたデータは、先天性魚鱗癬においても、全エクソームシークエンス法の使用で、遺伝子変異の同定率が上がることが示唆された。 既存の遺伝子変異を持つ家系の中からABHD5遺伝子変異の症例を報告した。ABHD5遺伝子は、魚鱗癬症候群の一つに分類される、Dorfman-Chanarin症候群(DCS)の原因遺伝子として知られている。DCSは、中性脂肪代謝異常症であり、トリアシルグリセロールがさまざまな細胞の細胞質内に蓄積し、脂肪滴を形成する。魚鱗癬様紅皮症の他に、肝障害を始めとした他臓器症状を合併することが特徴である。本症例でも、過去に一過性の肝機能異常を呈したエピソードがあったが、無治療で正常化したため、その後の検査は施行されていなかった。本症例のように、他臓器障害が非常にmildで魚鱗癬の症状のみを呈する患者がいることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
保存してあった検体の一部を、再度収集する必要が生じたため、当初の計画より、約3か月の遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、同定した病因遺伝子およびその遺伝子産物が、どのような経路で魚鱗癬の病態に寄与しているかを、機能的に解明する。 そして同定された病因遺伝子の変異を持つモデルマウスを作製し、治療薬候補製剤の検討に繋げていく。
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