本研究は,認知症高齢者に対応する簡便な口腔機能検査法であるCandy sucking test (CST)と栄養状態の関連を検討することで,その有用性を確立することを目的とした. 介護福祉施設における横断調査では,CST値と栄養状態との関連は明らかにならなかった.縦断調査でも6カ月間における5%以上の体重減少の有無とCST値には関連は認めなかった.一方で,CST値が6カ月間で低下した者は,栄養状態が低下する傾向にあった.以上の結果より,CSTはむしろ複数回検査を実施することで対象者の摂食嚥下機能の詳細な変化を捉える検査法として有用かもしれないことが示された.
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