骨粗鬆症では骨芽細胞活性の低下および破骨細胞活性が亢進し,インプラント治療において不利な環境となっている。そこで骨芽細胞活性促進および破骨細胞活性抑制作用を併せ持つポリリン酸を,骨伝導および生体親和性に優れる連通多孔性アパタイトへ吸着させ,骨リモデリングの制御を期待する新規人工骨を開発する。そして,骨粗鬆症を有する状態の欠損部位へこの開発した新規人工骨を応用し,骨欠損の回復ならび骨質を改善した後,インプラントの埋入を行い,そのインプラント支持能を評価・検討する。 研究1として,ポリリン酸吸着アパタイト上での骨芽細胞および破骨細胞の活性を確認したところ,骨芽細胞は有意に活性促進し,反対に破骨細胞の活性は抑制された。その結果よりポリリン酸吸着人工骨は骨粗鬆症により骨形成の低下した環境での十分な効果を期待できた。 研究2として,まずはラビットを使用し,ブロック状アパタイトの骨形成およびインプラント支持能を確認した。その結果,アパタイト単体においてもインプラントを支持し,安定することを明らかとした(文献1)。以上の結果を踏まえ,ポリリン酸を吸着させた骨リモデリング制御型人工骨を骨粗鬆症モデルラビットに応用し,骨質を改善した後にインプラントを埋入した。その結果,インプラントはオッセオインテグレーションを獲得し、その支持能はコントロールである自家骨と同程度となった。
文献1:Osseointegration aspects of placed implant in bone reconstruction with newly developed block-type interconnected porous hydroxyapatite. Journal of Applied Oral Science. 2016;March 21.[Epub ahead of print]
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