研究課題
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平成27年度は、新しいイオン液体群である溶媒和イオン液体を定義する分子論的要件の抽出と新規溶媒和イオン液体の設計と希釈系電解液に関する検討を行った。リチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiTFSA)とトリグライム(G3)またはテトラグライム(G4)の等モル混合錯体([Li(G3)][TFSA]または[Li(G4)][TFSA])を様々な分子性溶媒と混合し、等モル混合錯体の配位子と分子性溶媒の間の配位子交換について調べたところ、水やプロピレンカーボネートと混合した場合では配位子交換が顕著に起こり、錯カチオン([Li(G3)]+や[Li(G4)]+)が不安定となることが分かった。しかし、アセトニトリル、アセトン、トルエン、ハイドロフルオロエーテルなどの溶媒と混合した際には錯カチオンが安定に存在することを確認した。また、これらの分子性溶媒中における錯カチオンの安定性は分子性溶媒の誘電率、ドナー数などの溶媒パラメータと関連性があることが分かった。リチウム系電解液として適した分子設計を行うため、上記の混合液の電解液特性を調査したところ、アセトニトリル、アセトン、トルエン、ハイドロフルオロエーテルなど様々な分子性溶媒で溶媒和イオン液体を1 mol/L程度の濃度まで希釈すると、錯カチオンの構造を保持したまま、低粘性(< 10 mPas)、高イオン伝導性(> 5 mS/cm)を示す溶媒和イオン液体希釈系の電解液が得られることを確認した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Phys. Chem. C
巻: ASAP 号: 29 ページ: 15792-15802
10.1021/acs.jpcc.5b11642