研究成果の概要 |
本研究は、李氏朝鮮時代に編纂された『東文選』と題される詞花集に収められた「辞賦(長編の韻文作品)」について考察を行ったものである。研究成果としては、まず現在確認できるテクスト間の校勘を行い、その定本を定めたことにある。ついで、これを編纂する際に中国で成立した『古文真宝』を参考としていた可能性を新たに指摘した。併せて、『東文選』に収められる辞賦作品の分類を試み、1,『文選』(中国を代表する詞花集)に影響されたもの、2,日本に関する描写が認められるもの、3,律賦に属すると推測されるもの、4,李氏朝鮮王朝を讃美するものに分類できた。以上、当該書所収辞賦作品に関する初歩的研究を成し遂げた。
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