これまで合計18名の健常被験者に対し、ドーパミンD1およびD2受容体の機能を計測するための[11C]SCH23390と [11C]racloprideを用いた2種類のPET撮像撮像を取得し、またMRIの拡散テンソル画像(diffusion tensor imaging: DTI)を取得した。 得られたPET画像に対し、画像解析ソフトpmodを用いて前処理を行い、小脳を参照とした参照領域法を適用して受容体結合能であるbinding potential (BPND)を算出した。また得られたDTI画像に対し、画像解析ソフトfslを用いて前処理を行い、全脳主要白質線維の統合性の指標であるfractional anisotrophy(FA)を算出した。 これら2種類のPET画像により得られた線条体BPNDと全脳の平均FAとの相関を調べたところ、[11C]racloprideにより得られた線条体全体の平均BPND(D2受容体の結合能)と全脳平均FAとが負の相関の傾向(p<0.1)を示した。今後は、脳内のどの領域の白質線維の統合性と線条体におけるドーパミン受容体結合能とが関連を示すのか、脳局所領域にフォーカスを当てた解析を交えて詳細に検討する予定である。
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