研究課題
研究活動スタート支援
本研究は、江戸時代の初期文人画家を代表する祇園南海・彭城百川・柳沢淇園の三者について取り上げ、その表現における中国絵画からの影響と、彼らの文人交流における地域性について考察した。まず、三者の作品の悉皆的な調査と詳細な写真撮影をおこない、署名・印章・款記・賛・表現等の基礎的なデータベースを作成した。そのうえで、三者がどのような中国絵画を学び得たのかについて分析し、三者の表現の地域性についても検証した。さらに、こうした初期文人画家の表現や、中国絵画学習の成果が、池大雅や与謝蕪村をはじめとする後世の文人画の表現に、どのような影響を与えたのかについても、今後の展望を示した。