研究課題/領域番号 |
15J00456
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山内 由賀 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2016年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2015年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 女子教育 / 修道院寄宿学校 / 女子教育修道会 / フランス第二帝政 / 教育史 / フランス女子教育 / ウルスラ会 / 聖心会 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、現代における教育と宗教の結びつきがまねく諸問題及び教育の行く末を探るにあたって、修道院寄宿学校が中心を占めていたフランスの女子教育を事例に、宗教と教育の関係性を考察することである。 そこで本年度はまず、修道院寄宿学校における「競争」と「試験」の機能に着目した。その結果、修道院寄宿学校では「競争」を積極的に奨励し、生徒たちの学力の発達だけでなく、精神面の涵養も強く意識していたことがわかった。さらに「試験」については賞罰が体系化されており、頻繁な褒賞は「試験」と「競争」を補強し合う作用を有していたことが指摘できる。しかしその一方で、男子のための学校であったリセやコレージュとは異なり、修道院寄宿学校の「試験」と「競争」は淘汰や選出を意味するものではなかったことも明らかになった。 次に、本年度は修道院寄宿学校で教育を受けた当事者たちによる学校へのまなざしを明らかにするために、フランス国立図書館所蔵の日記の分析を行った。主として第二帝政期に教育を受けた娘たちの日記からは、修道院寄宿学校側の史料では曖昧であった生徒の年齢層や在籍の様子を補足することができた。修道院寄宿学校で学んだ生徒たちは、卒業後も黙想会などで学校を訪れることで学校との交流を保ち、あるいは卒業後も学校に残り修道女を目指すなど、卒業後の生徒たちと学校の関わりも詳らかになった。またこれらの日記の記述からは、修道院寄宿学校が生徒たちの宗教心を涵養することで、修道女が増加するという第二帝政期のカトリック教会における現象の一端を担っていたことが窺われた。しかしその一方で、これら日記が聖職者や修道女また修道院寄宿学校から出版されたものが少なくなく、生徒たちの日記を広く出版することで、学校の広報を担うという側面も明らかになった。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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