研究課題
特別研究員奨励費
申請者の研究室ではこれまで疾患の治療法および遺伝子解析技術の開発を目的として、配列特異的なDNA結合分子ピロール・イミダゾール(Py-Im)ポリアミドの分子設計と合成法を研究してきた。Py-Imポリアミドは穏和な条件でDNA二重らせん構造の副溝に入り込んでDNAの各塩基に結合し、N-メチルピロールとN-メチルイミダゾールの配列を変えることで任意のDNA塩基配列を狙うことができる。これまで申請者らはテロメア繰り返し配列を標的としたPy-Imポリアミドの合成法と、それらを用いた染色体末端テロメア領域に対する特異的な蛍光ラベル化法を開発してきた。申請者らは第3年度目において、①Py-Imポリアミドを用いた生細胞中でテロメアを可視化する手法の開発、②ゲノム中でAT richな部位を選択的に可視化するPy-Imポリアミドの開発、に関する研究を行った。研究①について、申請者らはペプチド性デリバリー試薬を用いて、これまで生細胞の核内への移行が困難だった、比較的分子量の大きい(>2000 Da) Py-Imポリアミドの核内移行に成功した。またこの手法により、遺伝子導入を伴うことなく有機化合物であるヒトテロメアを狙ったPy-Imポリアミドにより、生細胞のテロメアを特異的に染色することに成功した。この手法は最長の24塩基対を狙ったタンデムテトラマー型ポリアミドにも適応でき、また12塩基対を標的としたタンデムダイマー型ポリアミドよりバックグラウンドを少なくしてテロメアを可視化することに成功した。研究②について、申請者らはN-メチルピロールと蛍光基からなるポリアミドを、フローセル中の基盤に固定した大腸菌のゲノムDNAに処理することで、DNA1分子レベルでAT richな領域を可視化することに成功した。この手法は、DNA1分子レベルでその配列に依存した生物学的事象を解明するのに有用である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 7件) 備考 (3件)
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