研究課題/領域番号 |
15J00947
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 弘了 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2017年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2016年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2015年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 映画学 / 映画研究 / 小津安二郎 / 表象 / 表象文化論 / 日本映画 / フィルム・スタディーズ / シネマ・スタディーズ |
研究実績の概要 |
京都大学大学院の紀要論文集『人間・環境学』(査読有り)に学術論文「是枝裕和『海街diary』における記憶表象と観客の次元――フラッシュバックの排除と視線の等方向性」を投稿した。この論文では是枝裕和の作品を中心に取り上げているが、その際、小津映画の技法を参照することで、小津の特異性を逆照射している。是枝は、小津安二郎の映画的特徴であるフラッシュバックの排除と視線の等方向性を継承している。それによって、登場人物たちの抱える視覚化されない記憶が「真実的な記憶」(ロラン・バルト)へと結実するさまを描き出しているのである。 表象文化論学会の第12回大会では口頭発表「小津映画をクィアする」を行った(アーツ前橋、2017年7月11日)。クィア・セオリーは、異性愛規範によって抑圧されてきた性的少数者(LGBTQ)の権利回復を求める運動の流れの中で鍛え上げられてきた理論である。この口頭発表では、クィア理論の知見を参照することで、一般にメジャーな映画作家と見なされている小津のマイナー性を掬い上げることを試みている。 第2回東アジア日本研究者協議会国際学術大会(南開大学・天津)では、口頭発表「日常の延長としてのドキュメンタリー――小森はるか『あいだのことば』『米崎町のりんご農家の記録』」を行った。小森はるかは『息の跡』をはじめとするドキュメンタリー映画の監督として知られている。そのため、一見すると小津安二郎とは関係ないように思われるかもしれないが、小森はいくつかのエッセイで小津映画への偏愛を公言している。じっさい、固定カメラによって同一の風景を撮影しつつ、そこに生じているわずかな差異を浮かび上がらせる手法は、両者に共通する特徴として、それぞれの作品の雰囲気を決定づけている。ドキュメンタリー/フィクションの境界を超えて、二人の映画監督は同じ系譜の作家として映画史に位置づけることができるのである。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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